投稿者「rin」のアーカイブ

計算論的思考, 10年後 Computational Thinking, 10 Years Later

〔学習用翻訳〕

Jeannette Wing
2016年3月23日

原文:https://cacm.acm.org/blogs/blog-cacm/201241-computational-thinking-10-years-later/fulltext


「生きてるうちはないでしょう」

K-12でコンピュータ科学が教えられるのはいつになるかを問われたとき,そう答えていました。2009年,国立アカデミー主催の計算論的思考ワークショップの参加者の集まりに向けて講演していたときです。

いまは「私が間違っていました」と喜んで認めましょう。

私が「計算論的思考」という3頁ほどのViewpointコラム原稿をthe Communication to the ACM誌2006年3月号で書いてから10年になります。この機会に,私たちがどこまで来たかを振り返ってみたいと思います。

2005年を思い出してみましょう。ドットコムバブル崩壊後,コンピュータ科学への学部課程入学者が急激かつ一方的に減少し,終わりが見えませんでした。コンピュータ科学コミュニティは手に汗にぎり,キャンパスにおける学部組織生き残りに気をもんでいたのです。そんな多くの同僚と違って,私が見ていたのはコンピュータ科学のバラ色の未来でした。コンピューティングがあらゆるところに浸透すると見ていたのです。

私は計算論の概念と方法そして道具の活用によって,あらゆる学問分野と専門領域,セクターにおける大きなやり方が転換されると論じました。計算的な効果を利用できる能力を持っている人は,そうでない人よりも,大変有利です。なので,コンピュータ科学コミュニティにとって,コンピュータ科学者がどう考えるのかを将来世代に伝えていくとてもよい機会だと私には思えたのです。それで「コンピュテーショナル・シンキング(計算論的思考)」と相成ったわけです。

計算論的思考が,21世紀中盤の世界であらゆる人にとっての基礎スキルとなる,というビジョンにまで到達したことに私自身が驚きと歓喜を感じていることを認めざるを得ません。

科学的方法の第3の支柱

科学と工学の分野で,計算(computation)が,理論(theory)と実験(experimentation)とならぶ第3の科学的方法の支柱であると私は認識していました。なにしろコンピュータはすでに巨大で複雑な物理的自然システムのシミュレーションに用いられていましたし,遅かれ早かれ,科学者とエンジニアであればどんな分野においてもアルゴリズムとデータ型,そして状態機械といった計算論的抽象化のパワーを認識するようになるでしょうから。

今日では,膨大な量のデータの到来とともに,芸術や人文,社会科学を含むあらゆる分野の研究者が計算論的手段と道具を使って新たな知見を発見し続けています。

過去10年,世界中の100近いカレッジや大学に訪問し,大学学部段階における変革を目の当たりにしました。いまやコンピュータ科学専攻ではない学生にもコンピュータ科学コースが提供されています。そうしたコースはコンピュータプログラミングのコースではなく,むしろコンピュータ科学の核心に焦点を当てたものといえます。ハーバード大学に至っては,このコース(CS50)が大学内はもちろん,ライバル校イェール大学を含めて最も人気のあるコースの一つなのです。そしてコンピュータ科学への入学者は,まさにうなぎ登りです。

おそらく最も驚くべきかつ誇らしい結果は,K-12段階で起こったことでしょう。第一は,英国の草の根運動である「Computing At School」が,2014年9月にK-12学校での「Computing」必修化を教育省が指示することに繋がったことです。国家カリキュラムの法的ガイドラインには「質の高いコンピューティング教育によって児童生徒が世界を理解し変えていくための計算論的思考と創造力を身に付けさせる」とあります。

さらに,BBCは,Microsoftを始めとした企業とともに,BBC micro:bitの設計と配布を予算化しました。百万台ものプログラミング可能な小さなデバイスを英国すべての11-12歳(7年生)に一つずつ無償配布するのは今月(2016年3月)とされています。Microsoftリサーチはデバイスの設計とテストに貢献し,MSR Labs Touch DevelopチームはBBC micro:bitのためのプログラミング言語と環境と,指導用教材も提供しました。

第二は,code.orgという非営利組織が2013年にスタートしており,すべての人々がコンピュータ科学教育を受けられるようにするという使命に向けて専念していることです。Microsoftや他に何百もの企業や組織がパートナー,スポンサーとしてcode.orgの活動を支援しています。

第三は,K-12段階でコンピュータ科学を指導することへの関心の高まりが世界的であることです。オーストラリア,イスラエル,シンガポール,そして韓国での努力を私は聞いていますし,中国も近いうちに推進されるそうです。

すべての人々にコンピュータ科学を

私にとって最も喜ばしいのは,バラク・オバマ大統領の宣誓によって,米国の学校におけるコンピュータ科学教育に40億ドルもの資金が提供されることです。これは2016年1月30日に発表されたComputer Science for Allイニシアティブの一環としてです。このイニシアティブには,国立科学財団(NSF)からの1億2000万ドルも含まれており,9000人以上の先生たちをコンピュータ科学が教えられるようにしたり,計算論的思考をカリキュラムに盛り込めるように研修するため用いられます。このようなすべての生徒がコンピュータ科学を学ぶという取り組みは,コンピューティングスキルをもった労働人材の引き合いがあることが一因なのですが,単に情報技術分野だけでなくあらゆる分野においてそうであるということです。Microsoftでもこのことを見ることができます。私たちのエンタープライズ顧客も自動車業界,製造業界と医薬業界などすべての分野からコンピュータの専門知識が必要だとしてMicrosoftにやって来ているのです。

それでも実際的な課題や研究の機会は残っています。もっとも実際的な課題は,K-12の児童生徒にコンピュータ科学を教えられる先生が十分いないということです。とはいえ私は時間が経てば問題は解決するだろうと楽観しています。

また興味深い研究課題として,これについてコンピュータ科学者と認知・学習科学のコミュニティが協働した方がいいと思いますが,第一に,コンピュータ科学のどんな概念をいつどのように教えるべきかというものがあります。

数学にあてはめて考えてみましょう。私たちは5歳に数字を,12歳に代数を,18歳に微積分を教えています。何かしら数学における教える概念の進歩過程を見つけ出したわけです。そこでは,新しい概念を学ぶことは,先行概念の理解の上に成り立っており,そして進歩とは,個々の成長として子供たちの数学的素養の進歩を反映したものといえます。

では,コンピュータ科学の進歩とは何か?たとえば,再起(recursion)を教えるのはいつが最良なのでしょうか。子供達がハノイの塔パズル(最小n)を解くのを学び,歴史の授業では戦いに勝つ戦略として「分断と征服」を教えているのに,一般概念は高等学校で教えるのがよいのでしょうか。私たちは割り算の筆算を9歳児に4年生で教えていますが,決して「アルゴリズム」とは口にしないわけです。けれどもそこで教えられている割り算の筆算は明らかにアルゴリズムなのです。では,アルゴリズムという一般概念を4年生に教えることは早過ぎることなのでしょうか。さらに深堀りすれば,コンピューティングに関わる概念で,本質的かつ形式的にでも学習する必要のないものはあるのでしょうか。

第二は,コンピューティング技術を教室でどのように利用するのが最良かを理解する必要があるということです。教室からコンピュータを投げ出してしまうのは,コンピュータ科学の概念を教えるのに最良であるとはいえません。どうすれば技術を使って学習を推し進め,コンピュータ科学の概念を理解してもらうことを強化できるのでしょうか。技術をどのように用いれば,進歩と学習成果,時間経過後の定着を測定することができるのでしょうか。そして,学習ペースが異なり認知能力も異なる個々の学習者のために学習を個別化するためにどのように技術が使えるのでしょうか。

この10年,すべてのフィールドの研究や教育に計算論的思考を浸透させることに関して大きな進歩がありました。私たちはまだ道半ばではあるものの,幸いにして,計算論的思考を一般的なものにするというビジョンの具現化に向けて,産官学が足並みを揃えているのです。

Jeannette M. Wing氏はMicrosoftリサーチ部門の副社長(当時)。

計算論的思考 Computational Thinking

〔学習用翻訳〕コンピュテーショナル・シンキング

周以真 Jeannette M. Wing (Microsoft Research and Carnegie Mellon University)

原文:Jeannette M. Wing: Computational Thinking, Communications of the ACM, Vol.49, No.3, pp.33-35 (Mar. 2006)

正式翻訳版:中島秀之(公立はこだて未来大学)「計算論的思考」『情報処理』Vol.56, No.6, June 2015, pp.584-587


 

コンピュテーショナル・シンキング(計算論的思考)。
 それは,コンピュータ科学者だけでなく誰にでも例外なく応用できる態度と技能であり,是非とも学んで利用すべきものです。

 計算論的思考は,コンピューティング・プロセスの能力と限界に拠って立つもので,それが人間によるものか,機械によるものかは関係ありません。計算論的な方法とモデルは,私たちが単独では解決困難な問題やシステムの設計に挑む勇気を与えてくれます。計算論的思考が対峙する機械知能の謎には:人類がコンピュータよりも優れているのは何か?そして,コンピュータが人類よりも優れているのは何か?といったものがありますが,これらが問うている最も根本的な問いは:計算可能(computable)であるとは何か?ということなのです。今日,私たちにわかっているのはそうした問いに対する部分的な答えだけです。

 計算論的思考はすべての人にとっての基本的な技能であって,コンピュータ科学者だけのものではありません。「読み,書き,そろばん(算術)」(3R’s)と合わせ,「計算論的思考」もあらゆる子どもの分析的能力の一つに加えるべきです。ちょうど印刷技術が3R’sの広がりを促したことに引き付けて言うなら,コンピューティングとコンピュータが計算論的思考の広がりを促すのだと言えます。

 計算論的思考は,問題を解決し,システムを設計し,人間行動を理解することに,コンピュータ科学の基礎概念を利用します。計算論的思考が含んでいるのは,コンピュータ科学分野の幅広さを反映した知的な道具の集まりなのです。

 ある特定の問題を解決しようとするとき,私たちは:解決するのはどれくらい難しいだろう?とか,ベストな解決策は?とか問うでしょう。コンピュータ科学はしっかりとした理論的根拠に基づいて,それらの問いに正確に答えようとします。たとえば,解決策を実行しようとするコンピュータ装置,その機械の基本能力を使って問題の難しさを説明するには,機械の命令セットやリソース制約,操作環境についてまで考慮しなければならないのです。

 効率的な解決のため,私たちはさらに,近似解で十分なのか,乱数化を効果的に使えるのか,また偽陽性や偽陰性は許されるのか,などを考慮するかも知れません。計算論的思考は,たとえば簡略化,埋込み,変換,あるいはシミュレーションといった手段を使って,難しそうな問題を私たちが解き方を知っている問題に変換してくれます。

 計算論的思考とは再帰的思考です。並列処理であり,コードをデータとして,データをコードとして解釈することです。次元解析の一般化における型検査のことであり,ヒトやモノに対して2つ以上の名前を付けてしまう,いわゆるエイリアシングの利便性と危険性を理解することでもあります。間接アドレッシングとプロシージャ呼び出しのコストとパワーの両方を認識することであり,プログラムを正確さと効率だけでなくその審美性とシステム設計の単純さ,洗練さで評価することなのです。

 計算論的思考は,巨大で複雑なタスクに取り組んだり巨大で複雑なシステムを設計するときに抽象化と分解を用います。つまり関心の分離です。問題の適切な表現を選んだり,問題を扱いやすくするため関連部分をモデル化することです。また,不変項を用いて,システムを簡潔かつ宣言的に記述することでもあります。巨大で複雑なシステムに対し,細部のあらゆることを知ることなしに私たちが変更や影響を与えることができるという確信をもつことなのです。複数のユーザーを想定して何かしらモジュール化することであり,将来的な利用を見越してプリフェッチとキャッシングをすることでもあります。

 計算論的思考は,冗長性や障害抑制,誤り訂正によって,最悪ケースのシナリオを防止したり,そこからの保護や回復について考えることです。そして,交通渋滞(gridlock)をdeadlock(膠着停止)と,契約(contracts)をinterfaces(境界面)と呼ぶことでもあります。さらには,会議がもう一方の会議と衝突する場面で,競合状態の回避を学ぶことでもあるのです。

 計算論的思考は,ヒューリスティックな推論を使って解を見つけ出すことです。不確定な状況においてプランニング,学習,スケジューリングをすることだといってよいでしょう。検索して,検索して,さらに検索をして,Webページのリストや,ゲームに勝つ方略,あるいは範例を見つけだすようなものです。計算論的思考は,膨大なデータを用いて計算を高速化することです。それは,時間と空間とのトレードオフであり,処理能力と記憶容量とのトレードオフをすることなのです。

 次のような日常の例を考えてみることにしましょう:あなたの娘が朝学校へ行くとき,その日必要なものをバックパックに詰め込むこと;これがプリフェッチとキャッシングです。あなたの息子が手袋をなくしたとき,あなたに促されて来た道を辿り直すこと;これがバックトラッキングです。どの時点でスキーレンタルの利用をやめて自分用スキーを買うのか;これはオンラインアルゴリズムです。スーパーマーケットでどのレジ行列に並ぶのか;これはマルチサーバーシステムにおける性能モデリングです。なぜあなたの電話は停電中でも通ずるのか;これは障害からの分離であり,設計の冗長性です。完全自動公開チューリングテスト(CAPTCHA)は人間であることをどう立証するのか;これはコンピューティングエージェントの裏をかくため,AIにとって解決困難な問題を利用したものです。

 計算論的思考が人々の暮らしに根付くようになるのは,アルゴリズムや前提条件といった単語がすべての人の語彙の一つとなり,非決定性とガベージ・コレクションがコンピュータ科学者の用いている意味となり,ツリーといえば上下逆さまに描かれるようになったときでしょう。

 私たちは計算論的思考の影響を他の研究領域で目撃しています。たとえば,機械学習は統計学を変えました。統計的学習は,数年前には考えられなかったような巨大なデータ量と分類次元を有する問題に適用されています。あらゆる組織の統計部門がコンピュータ科学者を採用しています。コンピュータ科学の学部・研究科は,すでに統計部門が存在しているか,あるいは新しい統計部門を設立することに取り組んでいます。

 生物学におけるコンピュータ科学者達の最近の関心を動かしているのは,生物学者が計算論的思考から恩恵を受けられるという信念です。生物学に対するコンピュータ科学の貢献は,膨大な量のシーケンスデータからパターンを探し出す能力に留まりません。データ構造とアルゴリズム,私たちがいうところの計算論的抽象化と方法論でタンパク質の構造をそれらの機能を説明できるような形で表現することが期待されているのです。計算論的生物学は生物学者の思考法を変えています。同様に,計算論的ゲーム理論は経済学者の思考を;ナノコンピューティングは化学者の思考を;量子コンピューティングは物理学者の思考を変えているのです。

 こうした思考は,他分野の科学者だけでなく,すべての人々のスキルセットの一部となり得ます。ユビキタスコンピューティングが今日のためにあるように,計算論的思考は明日のためにあるものです。ユビキタスコンピューティングが今日の現実となった昨日の夢であったのですから,計算論的思考は明日の現実なのです。

コンピュータ科学者のように考えるとは,
コンピュータをプログラムできること以上に,複数レベルで抽象化して考えられることを意味します。

何であって,何でないのか

 コンピュータ科学では,計算に関して,何が計算できて,それをどう計算するのか,を研究しています。したがって,計算論的思考は次のような特徴を有しています:

〈概念化であって,プログラミングではない〉コンピュータ科学すなわちコンピュータプログラミング,ではありません。コンピュータ科学者のように考えることは,コンピュータをプログラムできること以上の意味を持ちます。それは複数レベルの抽象化で考えることを必要としているのです。

〈基礎的であって,暗唱的技能ではない〉基礎的技能とは,現代社会で活動するために人間なら誰もが持っているものです。一方,暗唱的とは,機械的なルーチンのことです。皮肉なことがあるとすれば,コンピュータが人間のように考えることを目指すAIグランドチャレンジ課題をコンピュータ科学が解決してしまうと,人間の思考は暗唱的なもの(機械的ルーチン)だと見なさざるを得なくなることです。

〈人間の思考法であって,コンピュータのそれではない〉計算論的思考は人間の問題解決法であり,人間がコンピュータのように考えることを目指すものではありません。コンピュータは鈍感で退屈であり,人間は賢くて創造性が豊かなのです。私たち人間がコンピュータを刺激的なものにするのです。コンピュータ機器を用いることで,コンピュータ時代より前には扱えなかった問題への取り組みや,私たちの想像力だけが機能性の制約だったシステムの構築にも,私たち自身の賢さを使うことができるようになります。

〈数学的思考と工学的思考が補い合い組み合わさる〉コンピュータ科学は,すべての科学がそうであるように,その形式的基礎が数学にあることから,本質的に数学的思考を内包しています。コンピュータ科学は,現実世界と相互作用するシステムを構築していることから,本質的に工学的思考を内包しています。コンピュータ機器がもっている制約は,コンピュータ科学者を数学的にだけでなく,計算論的に思考するよう仕向けます。自由自在に仮想世界を構築できるため,物理世界を超えたシステムの建設が可能なのです。

〈アイデアであって,モノではない〉それは物理的にいろんな場所に存在して生活の中でいつでも触れられるような,私たちがソフトウェアやハードウェアからつくりだす単なるモノではありません。私たちが問題にアプローチしたり解決したり,日常生活を管理したり,他人とコミュニケートしたり交流するための計算論的な概念として用いるものになります。そして,

〈すべての人に,どこででも〉計算論的思考は,人間努力と一体化したときに実際的なものとなり,自明な考え方となるでしょう。

 多くの人がコンピュータ科学とコンピュータプログラミングを同じとみなしています。一部の保護者はコンピュータ科学を専攻している子供達の就職機会が狭く限られていると見ています。多くの人はコンピュータ科学における基礎的研究は完了していて,工学的な課題だけが残されていると考えています。計算論的思考は,この分野におけるこうした社会通念を変えようと行動している私たちコンピュータ科学の教育者,研究者,実践者を導くグランドビジョンなのです。私たちにとって特に必要なのは,大学前段階の先生や保護者や生徒に向けて,2つのメッセージを送り届けることです:

〈理解し解決すべき知的な挑戦と魅力的な科学的問題は残っている〉問題の範囲と解決策の範囲を制限するものは私たち自身の好奇心と創造力だけだということです。そして,

〈コンピュータ科学を専門にした人は何にでも携われる〉英語や数学を専門にした人は多数の異なるキャリアを歩んでいます。コンピュータ科学も同じです。コンピュータ科学を専門にした人は,医学,法律,経営,政治,いかなるタイプの科学や工学,あるいは芸術のキャリアにさえ進むことができるのです。

 コンピュータ科学の教授は,「コンピュータ科学者のように考える方法」といった科目を大学の新入生向けに,コンピュータ科学専攻だけでなく他専攻の学生たちにも提供して教えるべきです。大学前段階の生徒にも計算論的な方法やモデルに触れさせるべきでしょう。コンピュータ科学への関心が低下していたり,コンピュータ科学への研究予算配分が減っていることを嘆くよりも,世間一般の関心をこの分野の知的冒険へと導くことにこそ力を割くべきです。そうやってコンピュータ科学のもつ楽しさや畏敬,パワーを広げていき,計算論的思考が当たり前のものになることを目指していきましょう。

GIGAスクール構想実現事業関連

GIGAスクール構想とは

GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字

✓1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する
✓これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す

文部科学省「GIGAスクール構想の実現」事業

事業目的
「Society5.0時代を生きる子供たちに相応しい、誰一人取り残すことのない公正に個別最適化され、創造性を育む学びを実現するため、「1人1台端末」と学校における高速通信ネットワークを整備する」

予算規模
4,610億円(令和元年補正予算と令和2年度第1次補正予算を合わせ)

事業内容
・児童生徒の端末整備支援
・学校ネットワーク環境の全校整備
・GIGAスクールサポーターの配置
・緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備

事業予算の変遷

地方財政措置

「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018年度~2022年度)」

・学習者用コンピュータ 3クラスに1クラス分程度整備
・指導者用コンピュータ 授業を担任する教師1人1台
・大型提示装置・実物投影機 100%整備
  各普通教室1台、特別教室用として6台
・超高速インターネット及び無線LAN 100%整備
・統合型校務支援システム 100%整備
・ICT支援員 4校に1人配置
・その他機器、ソフトウェア等の整備

令和2年度予算概算要求~令和元年補正予算

令和2年度予算の要求・要望段階(令和元年8月)「GIGAスクールネットワーク構想の実現」

令和2年度当初予算

令和2年度当初予算は「新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業」等の先端技術の活用方法の整理・普及に焦点

令和2年度補正予算

令和2年度第1次補正予算案で「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」として2,292億円が計上

(後日情報更新予定)

保育・子育て関連

平成27年度厚生労働省補正予算案の概要」PDF(厚生労働省)
○保育人材確保のための取組の推進 714億円
保育士の業務負担軽減のための保育補助者の雇上費についての貸付や、事務の省力化のための保育所のICT化を支援することにより、勤務環境の改善を図るとともに、資格取得のための修学資金貸付の強化や潜在保育士の再就職時の就職準備金等について貸付を行う(貸付については、一定の条件を満たした場合に返還免除)。
また、保育士の人件費について、国家公務員の給与改定に準じた内容を公定価格に反映することにより、保育士等の待遇改善を図る(内閣府予算に計上)。

○放課後児童クラブにおける勤務環境の改善 7.9億円
放課後児童クラブが、放課後児童支援員等の事務負担の軽減のためにパソコン等を購入する際にその費用について支援する。
平成27年度補正予算(保育対策関係)の概要」(内閣府)
保育所等におけるICT化推進等について
保育所等における業務効率化推進事業(平成27年度補正予算(案):148.1億円)
保育所等における保育士の業務負担軽減を図るため、負担となっている書類作成業務について、ICT化推進のための保育システム(指導計画やシフト表の作成等)の購入に必要な費用を支援する。
また、保育所等における事故防止や事故後の検証のためのカメラの設置に必要な費用を支援する。
【実施主体】市町村
【補助率】国3/4 地方1/4
【補助単価】
・ICT化推進:システム購入費最高100万円(1か所当たり)
・カメラ設置:最高10万円(1か所当たり)
平成28年度保育対策関係予算(案)の概要」(厚生労働省)
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課
1待機児童解消等の推進に向けた取組
2保育の量拡大を支える保育士の確保

1.保育の量拡大を支える保育士の確保
①保育士確保対策
②保育士資格取得と継続雇用の支援
・若手保育士や保育事業者への巡回支援事業【新規】
公立保育所のOB・OGやソーシャルワークの専門職等を活用し、保育所等に勤務する経験年数の短い保育士に対し、保育現場におけるスキルアップや保護者対応等、当該保育士へ助言指導を行うため、保育所等への巡回支援を行う。
また、保育所等におけるICT化の推進、保育士の業務負担軽減及び保育所等の事業運営の高度化を図るための保育事業者に対する助言指導、保育事故防止や保育の質確保に関する助言指導等を行うため、保育所等への巡回相談を行う。

3事業所内保育など企業主導の保育所の整備・運営等の推進
4子ども・子育て支援新制度の実施(一部社会保障の充実)
5認可外保育施設への支援
6その他の保育の推進
平成28年度予算案における子ども・子育て支援新制度の状況について」(内閣府/厚生労働省/文部科学省)
平成28年度厚生労働省補正第二次予算案の概要」PDF(厚生労働省)
放課後児童クラブにおけるICT化の推進 60百万円
放課後児童クラブにおける子どもの来所・帰宅の状況等をICカードにより把握するシステムの構築に要する費用について、補助を行う。
※別途、放課後児童クラブの平成31年末までの追加的な受け皿整備を平成30年度末に前倒すため、放課後児童クラブの施設整備補助の補助率嵩上げを行う。(制度改正)【内閣府計上】
平成29年度補正予算(厚生労働省)
保育所等におけるICT化推進事業 13億円
保育士の業務負担軽減を図るため、保育に関する計画・記録や保護者との連絡、子どもの登降園管理等の業務に係るシステムの購入費用を支援する。
平成30年度第2次補正予算(厚生労働省)
保育園等におけるICT化推進事業 4億円
保育士の業務負担軽減を図るため、保育に関する計画・記録や保護者との連絡、子どもの登降園管理等の業務に係るシステムの購入費用を支援する。
保育対策総合支援事業費補助

諸外国の教育情報化

〈資料〉
H27「教育分野における先進的なICT利活用方策に関する調査研究」PDF(総務省/富士通総研)
H26「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」(文部科学省)
H26「「ICTを活用した課題解決型教育の推進事業(諸外国における教育の情報化に関する調査研究)」報告書」(文部科学省/大日本印刷)
H22「諸外国教育分野における情報化実態調査概要」PDF(総務省/みずほ情報総研)
H19「海外実地調査結果(地域・学校の特色を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査研究)」(日本教育工学振興会)
〈報告〉
H26「海外ICT事情(1/2) アフリカICT事情編」(原秀一)
H26「海外ICT事情(2/2) – ICT教育の変化編」(原秀一)
〈記事〉
H26「「諸外国の情報モラル教育」テーマにパネル討論」(教育家庭新聞)
H26「世界のICT教育の勢いを感じた“Bett Show 2016”」(ClassWriterブログ)

PISA2015関連

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【ICT活用調査】日本語質問文

ここからは、携帯電話、デスクトップ・コンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ゲーム機、インターネットに接続しているテレビなど、様々なIT機器(デジタルメディア、デジタル機器)の利用状況についてお聞きします。

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プログラミング教育

20110803 「情報通信技術人材に関するロードマップ」(IT戦略本部)
20130614「日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」(首相官邸)
20130614「世界最先端IT国家創造宣言」(IT戦略本部)
20131220「「創造的IT人材育成方針」 ~ITとみんなで創る豊かな毎日~」(IT戦略本部)
20160419 「産業競争力会議」(首相官邸)

プログラミング教育:教育の情報化の推進」(文部科学省)
プログラミング教育実践ガイド」(文部科学省)
諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」(文部科学省)
20151218「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」(文部科学省)
小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」(文部科学省)
20160616 「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」(文部科学省)
20170413「「資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究」研究報告書4~ICTリテラシーと資質・能力~」[概要版PDF][全体版PDF](国立教育政策研究所)

Jeannette M. Wing「計算論的思考」[PDF](Carnegie Mellon University/情報処理学会:中島秀之)"Computational Thinking"[原文PDF][学習用日本語訳](コンピュテーショナル・シンキング)
Computer Science For All (White House) 20160130
Jeannette M. Wing「Computational thinking, 10 years later」(Microsoft Research Blog)[学習用日本語訳

Scratch https://scratch.mit.edu
Viscuit http://www.viscuit.com
Minecraft https://education.minecraft.net
Hour of Code https://code.org
みんなのコード http://hourofcode.jp
Computer Science for ALL プログラミング教育普及プロジェクト http://csforall.jp
コードアカデミー高校 http://www.code.ac.jp

デジタル教科書

「教育の情報化ビジョン」の公表について」(文部科学省)
「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(文部科学省)
20161216 「「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ」(文部科学省)
デジタル教科書プラットフォーム(ICTのある学び)
東京書籍 デジタル教科書 総合サポートサイト
CoNETS (大日本図書/実教出版/開隆堂/三省堂/教育芸術者/光村図書/帝国書院/大修館書店/啓林館/山川出版/数研出版/日本文教出版/第一学習社/日立製作所)

デジタル教科書学会 http://js-dt.jp
デジタル教科書教材協議会 http://ditt.jp

諸外国の学校の権限(抜粋)

文部科学省『諸外国の教育行財政 ―7か国と日本の比較―』(ジアース教育新社2014)
http://www.kyoikushinsha.co.jp/book/0246/

16-17頁表中「初等中等学校の管理運営」内「学校の権限」
(予算に関係する部分のみ)
【アメリカ合衆国】
・一般公立学校:教育課程や教職員人事,予算の編成・執行に関する権限は,通常,極めて限定されている。
・SBMやチャータースクール:通常,予算運用,教職員人事,教育課程について各学校が大きな裁量を与えられている
【イギリス】
・学校予算の策定,運用
【フランス】
・中等学校は,学校予算の一部について裁量を持つ
【ドイツ】
・学校予算の編成,人事についても部分的な関与が可能
【フィンランド】
・学校予算の運用について一定の裁量を持つ
【中国】
関係記述なし
【韓国】
関係記述なし
【日本】
関係記述なし

18-19頁表中「初等中等教育の財源」内「学校の予算運用上の権限」
【アメリカ合衆国】
・予算規模の決定や運用は基本的に学区の権限で学校の裁量は極めて限られている
【イギリス】
・地方当局が算定式に基づいて各学校の予算額を決定するが,予算の運用は学校の裁量
【フランス】
・初等学校は予算に関する権限を持たない
・中等学校は一部の予算について裁量が与えられている
【ドイツ】
・学校予算は多くの場合,地方が決定
・一部の予算の運用については,校長に裁量が与えられている
【フィンランド】
・学校予算の額については,地方当局が児童・生徒数を基に各種の指標によりウェイト付けして算出
・配分された予算の運用は,各学校(校長)の権限であるが,裁量は自治体によって異なる
【中国】
・各学校が予算編成し,主管政府の承認を得る。給与等の諸基準により使途は限定
【韓国】
・学校予算については,教育庁が学級数や児童・生徒数を基準に算定し,配分(教職員の人件費を除く)
・各学校は,教職員の人件費を除く学校運営及び学校施設・設備にかかる経費を編成・執行
【日本】
・学校予算については,学校の設置者が決定・執行
・日常的な経費の執行は,多くの場合,校長に委任

(※18-19頁表中,韓国の欄で「人権費」となっている版があるが,「人件費」の誤植であると考え訂正したこと付記する。)

教育と情報関連会議

会議名 組織
1950 社会教育審議会 文部省
1952 経済審議会 内閣
1966 理科教育及び産業教育審議会 文部省
1967 産業構造審議会 情報産業部会 通産省
1984 臨時教育審議会 内閣
1985 情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査協力者会議 文部省
1988 文教施設のインテリジェント化に関する調査研究協力者会議 文部省
1988 教育情報通信システム調査研究会 郵政省
1995 知的活動のネットワーキングに関する研究会 郵政省
1995 マルチメディアを活用した21世紀の高等教育の在り方に関する懇談会 文部省
1996 教育課程審議会(1996~1998) 文部省
1996 情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議 文部省
1997 大学審議会 マルチメディア教育部会 文部省
1997 教育分野におけるインターネットの活用促進に関する懇談会 郵政省/文部省
2000 教育の情報化における評価・助言会議 文部省
2000 教育情報ナショナルセンター機能の整備に関する研究開発委員会 文部省
2001 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(旧 情報通信技術戦略本部 首相官邸
2002 初等中等教育におけるITの活用の推進に関する検討会議 文部科学省
2004 初等中等教育における教育の情報化に関する検討会 文部科学省
2005 教育・学習情報の発信・提供の在り方に関する検討会 文部科学省
2006 教員のICT活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会 文部科学省
2006 ICT分野の研究開発人材育成に関する研究会 総務省
2007 高度ICT人材育成に関する研究会 総務省
2007 学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会 文部科学省
2008 拡大教科書普及推進会議 文部科学省
2008 「教育の情報化に関する手引」作成検討会 文部科学省
2009 「スクール・ニューディール」推進会議 文部科学省
2010 「教育の情報化に関する手引」作成検討会(高等学校) 文部科学省
2010 学校教育の情報化に関する懇談会 文部科学省
2010 ICTを利活用した協働教育推進のための研究会 総務省
2011 フューチャースクール推進研究会 総務省
2011 学びのイノベーション推進協議会 文部科学省
2011 ICTを活用した先導的な教育の実証研究に関する協議会 総務省/文部科学省
2012 情報活用能力調査に関する協力者会議 文部科学省
2014 ICTを活用した教育の推進に関する懇談会 文部科学省
2014 ICTドリームスクール懇談会 総務省
2014 教育再生実行会議分科会 第1分科会 首相官邸
2014 先導的な教育体制構築事業推進協議会 文部科学省
2015 「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 文部科学省
2015 教育課程部会 情報ワーキンググループ 文部科学省
2016 2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会 文部科学省
2016 小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議 文部科学省
2016 教育クラウド・プラットフォーム協議会 総務省
2016 プログラミング教育事業推進会議 総務省
2016 教育情報セキュリティ対策推進チーム委員 文部科学省
2016 学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 文部科学省

教育と情報関連会議構成員一覧